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フィールドワークの心得

作成者

  • 2004_0723 西田顕郎
  • 2008_0623 奈佐原(旧姓西田)顕郎
  • 2013_0110 奈佐原(旧姓西田)顕郎

「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」 (ビスマルク) ... ノウハウや失敗事例が既に確立しているのに, 同じ失敗を追体験しないとわからない, 失敗してはじめてその重さに気づく, というのは愚かなことです。フィールドワークでは, 特にありがちです。

はじめに

フィールドワークには2つのスタイルがあります:

  • 狩猟型フィールドワーク ... 人影まばらな原野や極地や原生林を何週間も続けて移動しながら、あらたなものを調べる。
  • 農耕型フィールドワーク ... 特定の観測サイトを設定し、何年〜何十年もの間、定期的に訪れて、観測器機を展開・維持・更新しながら定点観測を続ける。

前者のスタイルのほうが格好良いし、それに関する紀行本とかノウハウとかの情報も多く出ていますが、意外に後者に関するノウハウは語られていないように思います。そこでここでは農耕型フィールドワークについて、おおまかなノウハウを述べます。

その前に、原則的に、以下のポリシー(哲学)が重要です:

  • 安全第一。
  • 細かいことをおろそかにしない。
  • better than nothing
  • 情報共有が大事。
  • 主体性を持つこと。自分の面倒は自分でみる。「連れてこられた」という意識では決してフィールドに行ってはいけない。
  • 失敗してもめげないこと。気持ちの切り替えが重要。
  • できる限りデータ欠損(欠測)を作らない。
  • 自分の都合ではなく, 自然(機械)の都合にあわせる。

安全第一。いや、マジで。

さて、フィールドワークの最大の優先事項は安全です。何にもまして、安全第一です。研究のために安全性を犠牲にすることは許されません。

もしあなたが、「自分の人生をかけた研究だ、たとえ死んでも悔いは無い」と思っても、あなたはそれでいいかもしれませんが、それであなたが怪我をしたり死んでしまえば、まわりの多くの人が迷惑を受けます。大事故が発生した研究サイトは、原因究明のために一時的に閉鎖されたり、最悪、廃止されることもありえます。そうなると、多くの研究者が費やした歳月と労力が無駄になってしまうのです。

仮にそうならなくても、事故再発防止のために、以前より厳しい管理体制が敷かれることはあり得ます。そうなると、個人の行動が制限され、以後の研究活動の効率性を阻害することになります。

フィールドでの安全を確保するために、以下に気をつけましょう:

  • 単独でのフィールドワークはできる限り避けること。何かあったとき、一人だけではどうにもならぬことが多いです。
  • 事前の計画と準備をしっかりやること。計画や準備が足りないと、手際が悪くなり、トラブルが起きやすくなり、精神的な余裕が失われ、時間も失われます。これらの全てが安全性に悪影響を与えます。
  • 整理整頓、清掃を心がけること。ケーブルの配線などを乱雑なままにしてはいけません。
  • 高所での作業では、物を落とさないこと。誰かが高所で作業しているときはその真下付近にはできるだけ近づかないこと。
  • 悪天での作業はなるべく避けること。特に高所作業。濡れたタワーにはなるべく登らないこと(滑るから)。
  • 夕暮れ・夜間の作業はなるべく避けること。暗いと作業効率が悪くなり、事故を起こしやすくなります。事故が起きたら、その対応(救出・搬送・治療など)も夜間では困難になります。
  • ヤブ、特にササヤブでは、枝や笹で目を突かないように!ゴーグルするのが望ましい。
  • 現地をよく知る人、特にサイト管理者の指示に従うこと。気づいたことは彼らに報告すること。
  • 「いまここで事故が起きるとしたらどういう事故か?」をいつも考え、その対策をしましょう。特に、最悪のシナリオを想定することが重要です。
  • 安全のためにはお金を惜しまないこと。例えば、タイヤ交換のお金をけちって、磨り減ったタイヤでフィールドに行って、パンクやスリップ事故を起こすのは愚かなことです。
  • 保険に入ること。保険は事故の事後処理のためのもので、本質的な安全にはつながりませんが、フィールドでの作業や行き帰りの事故に対する損害保険(旅行傷害保険など)にはきちんと入っておきましょう。

細かいことをおろそかにしない。

フィールドでは、限られた時間と労力の中でたくさんのことをやらねばならないので、ついつい、手を抜きたくなるものです。しかし、そこを踏ん張って、やるべきことを丁寧にやらねばなりません。なぜならば、そのほうが結局は楽だからです。

たとえば、データをとるときに決められたプロトコルを、その場しのぎで簡略化(手抜き)してしまうと、あとでデータ解析や論文化の作業がとても複雑になります(手抜きをしたならその事実と理由を論文に書かねばならないのです!)。他にも、校正作業や配線チェック、記録などの作業でひとつ手を抜くと、精度が悪くなったり、欠測が生じたり、事実確認が難しくなったりしますから、これも後の作業(解析・論文化)を難しくします。安全管理に手を抜くと、上記のように取り返しのつかない損害を被ったりします。

感覚的に言って、フィールドでひとつ手を抜くと、その回復のために、室内などで、その10倍〜100倍の作業が発生し、しかも、完全には回復できない、と私は思っています。それはトータルで考えれば、明らかに非効率的な仕事のスタイルです。「あとで楽をするためにここで踏ん張るのだ」と言い聞かせて、フィールドでは丁寧な仕事を心がけてください。

better than nothing

自然相手では思うようにことが運ばぬことがあります。特に天気はどうにもなりません。計画していた測定が完遂できなくなったらどうするか? そのとき大事なのは、better than nothing, つまり「無いよりまし」という考え方です。たとえ測定条件が悪くても, 必要なデータは, ひととおり揃える努力が重要です。

測定の反復回数を減らしたり, 測定点を間引いたりという「手抜き」は, 前述のように、できるだけやらないほうが良いのです。しかし, データセットというのは、何かひとつだけでも欠けると意味がない、ということもありまして, そのような場合は, 「不完全なデータでも, 測れるときに測る」という割り切りが重要です。ラフなデータでも「無いよりまし」です。ただし、その場合は、どのような悪条件でとったデータなのかをきっちり記録しておきましょう。さもないと、良い条件でとったデータと混ぜて解析するときに、解釈が難しくなります。

情報共有が大事

関係者としっかり情報共有・意思疎通すること。世の中のトラブルのほとんどは意思疎通によって防げます。

できる限りデータ欠損(欠測)を作らない。

時系列で連続的にとっているデータには、欠損を作らないことが非常に大切です。データが無ければどんな解析もできません。データの無いところを何らかの方法で埋める技術(補間)もありますが、それを頼るのは最後の手段です。何か大切な事象や変化が起きているときというのは、その起きている最中にはそれとはわからないものです。後で解析してみたときに、「ここで何かが起きている!」とわかるのです。そのためにも、データは切れ目なく取り続けねばなりません。

自分の都合ではなく, 自然(機械)の都合にあわせる。

自然はあなたの思うようには動いてくれません。台風などのような突発的な事象が起きると、観測サイトには大きな変化が生じますが、それを観測するには、それに合わせた準備と行動が必要です。あなたの都合で「週末は休みたいから週明けにしよう」「忙しいから後回しにしよう」と決断するのはあなたの自由ですが、それによって、大切な科学データを取りのがすことになったとしたら、その責任はあなたにあります。

これは農家の仕事によく似ています。農業は天候などの「自然の都合」に大きく左右されます。「今日は休日だから休もう」という理由で、しかるべきときにしかるべき処置をしないと、回復不能なダメージを作物に与えてしまいます。自然は待ってはくれないのです。

観測機材の不具合なども、これに似ています。観測機材に不具合が生じた時、「今は忙しいから、余裕ができたら対処しよう」と判断してしまうと、その「余裕ができた時」までのデータが欠損してしまいます。

前々日までの準備

1. My道具箱を作ろう

  • 測器の設置や保守点検に道具(工具)は非常に重要です。道具は人から借りてはいけません。自分で必要な道具を一式、自前で用意しましょう。といっても、全てをいちどに全部、揃える必要はありません。
  • ペンチ、ドライバー、スパナ(レンチ)は必須。
  • カッター、はさみ、プライヤー、ラチェット、テスター、レベル(分度器)、ヤスリ、カナノコ、金槌、ドリル、六角レンチなども重要でしょう。他は徐々に足していけばいいでしょう。
  • ガムテープ、ビニールテープ、ねじりっこ、防水パテ、マジック、ビニール袋(ジップロック)などの消耗品もきちんと補充しましょう。
  • ドライバーやレンチひとつをとっても、なんでもいいというわけではなく、その長さやグリップ形状などで、用途に適する物も適さない物もあります。最適な道具を選び、大切に使うことは、フィールドワークの基本です。
  • 工具の呼び名を知らない人が、けっこういます。現場で人と協同作業するとき、工具の呼び名を知らないと面倒です。どの工具をどう呼ぶか、先輩などに教えてもらいましょう。
  • 道具を入れる箱は、他の人の道具箱と簡単に区別できるようにしてください。他の人が使っていない形の箱を選ぶか、あるいは、はっきりした目印をつけましょう。

2. 新たに導入する機器は、徹底的に動作検証しておくこと。

新たに現場に導入(設置)する測器は、必ず、よくマニュアルを読み込んで、できる限り現場の状況に近い環境で、十分に動作確認しましょう。ここでできる調整は、全て済ませましょう。野外での調整作業は、室内でのそれと較べて、格段に面倒でやりづらいものです。買った測器を新品の梱包のまま開梱せずに現場に持ち込むというのは、もってのほかです。

前日の準備

1. 時計をあわせる

気象や生態・水文などの観測データは、時系列データであることがほとんどです。いろんな種類の時系列データがありますが、ひとつひとつのデータで何か面白いことが見つかるのは希であり、多くの場合、複数の種類の時系列データを組み合わせて、現象を解明したり、モデルへの入力データセットとするわけです。ところが、複数の種類の時系列データが、互いに一致した時計のもとで管理されていなければ、そういうことができなくなってしまいます。従って、時計合わせはとても重要です。

フィールドでの測器やデータロガーは、それぞれが時計を内蔵していることが多いですが、当然、それらは次第にずれていきます。それらを合わせ直したり、あるいはテンポラルな較正用測定の際にそれらの定常観測装置に一致したタイミングを管理するために、まず、自分の腕時計を、正確な標準時刻に合わせましょう。電話で117にかければ、いつでも時報が流れています。携帯電話でフィールドから117にかけてもいいのですが、いちいちそれをやるよりも、まず自分の腕時計です。最近は電波時計という便利なものがあり、それを使うのも良いでしょう。

2. 全てのバッテリーを充電する

分光放射計や測量機械、ポロメータなど、野外でAC電源なしで駆動させる機械については、バッテリーを、予備も含めて、完全充電しましょう。普通にやっていたら足りるだけの分量の2倍くらいは見積もっておきましょう。野外では予期せぬトラブルが起こりますので。

3. 予備の乾電池セットを用意する

デジカメやGPS、テスターなど、乾電池で動く機械の替電池を用意しましょう。デジカメは頻繁に電池交換が必要なので、初心者でも替え電池をきちんと用意するものなのですが、意外な盲点は、GPSやテスターなど、めったに電池切れを起こさない装置です。これらの替え電池の用意は、とかくないがしろにされますが、これらの稼動が止まってしまうと大変なことになったりします。特にボタン電池や箱型電池など、特殊な電池の予備を忘れないように。そういう予備電池をタッパーなどにひとまとめにして、いつも持ち運ぶようにすればよいでしょう。

4. 懐中電灯を用意する

農耕型フィールドワークには、際限なく「やるべきこと」が発生し、それに対処していると、時間を忘れてしまい、あっという間に夜、ということがよくあります。そうならないようにきちんと計画を立てることが重要ですが、万一のために、暗い夜道を歩けるよう、懐中電灯は必ず用意して携帯しましょう。

5. 前回までに回収したデータの一次処理は必ず終えておくこと

時系列データなら、単位の変換と異常値除去くらいはして、グラフに描いてみて、データにおかしな挙動がないかどうか、チェックしておきましょう。おかしなことがあれば、その原因追及と対策が、次回のフィールドワークの優先課題になります。

6. 「やることリスト」を作る

現場でやるべき作業をリストにして、優先順位をつけましょう。工程表みたいなものです。同行者がいるときには、それを配っておきましょう。

7. 関係者に連絡する

いつからいつまで誰が現場に入るか、ということを、関係者に連絡しましょう。農耕型フィールドでは、多くの研究者が同じサイトでそれぞれがいろんな調査・観測をすることが多いのですが、共同研究者どうしが互いの行動を知っておくことは、とても大切なことです。例えば現場の管制小屋で大掛かりな器機更新作業をしようとするとき、他の誰かが小屋を使うつもりだったりすると、互いに仕事になりません。また、測器にトラブルが起きているとき、簡単な復旧作業ならばしてあげたりしてもらったりすることもできます。

チェックリスト

* 腕時計を合わせたか? 
* 全てのバッテリーを充電したか?
* 予備の乾電池セットを用意したか?
* 懐中電灯を用意したか?
* 前回までに回収したデータをすべてチェックしたか?
* 「やることリスト」は作って配ったか?
* 関係者に連絡したか?

当日の行動

1. ブリーフィングする。

ブリーフィングとは, 最終打ち合わせのことです。旅客機の運行前にパイロットや客室乗務員などが, 機体状態や天気、運行予定などについて打ち合わせする、アレです。

準備が整った後, 出発する前に, ブリーフィングします。作業目的、現地までの道筋、作業の概略、持って行くものなどを、同行者全員で再確認します。作業目的が複数ある場合(それが普通)は、優先順位(priority)を確認します。「絶対やらねばならぬこと」と「できれば(余裕があれば)やりたいこと」をしっかり区別します。

出発直前にこれらの情報を確認・共有すると、往路の移動中に各自が作業手順を頭の中でシミュレーションできるし、それをメンバーどうしで相談して擦り合わせることもできます。そうすれば、現地に着いたときに、誰が何をやればいいのか明確なイメージを共有できるので、心に余裕を持って効率的に作業が進むことになります。

フィールドの初心者がいるときは特に、きっちりブリーフィングしてあげましょう。初心者が、何もわからない・知らされない状態でフィールドに連れていかれたら、つまらないし、危ないです。ブリーフィングでしっかり基礎知識が頭に入れば, その後は自主的にいろいろ学ぶことができます。

フィールドワークが複数の日にまたがる場合は、毎朝、朝食後にブリーフィングをやりましょう。

2. ガソリンは満タン、トリップメーターはリセット、出発時刻を記録して出発。

車でいくときは、毎回、ガソリンを満タンにしてトリップメーターをリセットし、出発時刻を記録してから出発しましょう。そして、現場到着時や帰宅時に再チェックして、移動時間・走行距離・消費燃料を調べておきましょう。これは、次回以降の行動予定を立てる上で重要な参考資料になります。

ガソリンの残量がタンクの半分を下回ったら給油しましょう。「少し先にもっと安いスタンドがある」といって給油を先延ばしにすると, そのうち痛い目に会います。あてにしていたスタンドが無くなっていたり, 道にまよったり, 渋滞に巻き込まれてガス欠になったらどうしますか? 特に, 高速道路でガス欠を起こして停車すると, 大変危険です。

3. フィールドノートに記録する。

フィールドノート(野帳)の記録は極めて重要です。まず、必ず日付(年から!)、場所、参加者、天気を記録しましょう。そして、作業や観測について、ひとつひとつ時系列で、時刻とともに、記録します。何か測定をしたら、データだけでなく、その測器のシリアル番号も必ず記録します。

フィールドノートは、体裁を自分で統一しましょう。フィールドに行くたびにノートを変えたり違う紙に書いたりしてはいけません。ノートが終わったら、次にはまた同じ体裁のノートを買いましょう。そうして、同じ体裁のフィールドノートを、何冊も何十冊も、継続して使うのです。それはあなたの研究における、最も重要な一次資料であり、決して紛失してはいけません(万一の紛失に備えて、フィールドノートのコピーを毎回とる人もいます)。

フィールドノートには、

  • やったこと(起きたこと、つまり事実)
  • 気づいたこと(思いついたこと)
  • やらねばならぬこと(または次回持ってくるべきものなど)

の3つを区別して書きましょう。私は、やったことには無印、気づいたことにはこめじるし(※)、やらねばならぬことには三角印(△)をつけてから書くことにしています。

現場には、過去1年分くらいの記録(フィールドノート)を持参すると、いま目の前で起きていること(特に機器の読み取り値)が、過去の履歴に較べてどうなのかがわかります。そうやって、データを得ながらその妥当さをチェックすると、トラブルの防止や科学的な発見につながりやすいです。

誰かと共同作業していると、他の人が記録をとったら自分は記録しないでいいや、と思うことがよくあります。ある程度はそれは仕方ないですが、基本的には、フィールドノートは個人個人で独立してとるべきものです。誰かがとった記録は、後日教えてもらおう、と思ってはいけません。みな、忙しいので、そんなことに対応してくれる人は希少です。作業の合間か、作業終了直後に、すぐに写させてもらいましょう。そのとき、その部分は誰のノートの複写である、ということも明記すること。どのようなデータ(記録)も、どれがオリジナルなのか、必ずはっきりさせないといけないからです。

4. 写真を撮りまくる

デジカメを持っていって, たくさん写真を撮りましょう。写真は, フィールドノートに書ききれないような多くの情報を瞬時に記録できます。例えば機器を交換するときは、交換前の機器と交換後の機器の写真を現場でとりましょう。そうすれば、どの機器とどの機器を交換したのか、交換時の状態はどうだったのか、というようなことがかなりの程度、正確に記録されます。機器の設置状況というのは時とともに変っていくものなので、何も触っていない機器でも目につくかぎり写真に納めるのは良い習慣です。

作業中は忙しくて写真なんか撮っている余裕がない、ということもあるでしょう。実は、そういうときこそ、記録がおろそかになりがちなので写真撮影が必要です。そういうときは誰かを「カメラ係」にするのです。当面、作業の役には立たない人、例えば初心者とか、逆に、偉すぎて作業には手を出さない立場の人とかが好適です。写真係は、とにかくたくさん写真を撮ることが任務です。目安としては、1分間に1枚以上の頻度で写真を撮りましょう。

5. 定点写真のすすめ

農耕型フィールドワークでは、観測サイト周辺状況の変化を観察することが、データを解釈する上で重要です。長期間の状況変化を追うのに簡便で有効な方法は、定点写真です。いくつか代表的な場所とアングルを決めて、毎回、写真を撮るようにしましょう。撮り溜めることで、いろんな微妙な変化がわかります。定点写真にしないと、微妙な状況変化はわかりにくいものです。

6. 大事な作業はお喋りしながらやらない

現場での作業は, ひとつひとつを抜かりなくきちんとこなす必要があり、集中力が要求されます。機器の設置やメンテナンス、チェック、計測などは、手順をしっかり意識して、おしゃべりをしないで集中して行いましょう。仲間とのコミュニケーションは大事ですが, それは大事な作業の前や後にしましょう。

帰ってからやること

記録(ログ)を必ずつけよう。

作業記録(機器の設置や更新、設定変更、トラブルなど)は、フィールドノートに記録するだけではダメで、必ずどこかにきちんと記録としてまとめなおしましょう(フィールドノートは、あくまでメモです)。記憶の薄れないうちに, 急いでやりましょう。

データを見よう。

回収したデータを整理し, グラフ等にして見てみましょう。うまくデータがとれていればOKですが、機械が途中で止まっていたりというトラブルを発見することが多々あります。そういう場合は, その原因と対策を考えねばなりません。現場から帰った直後なら現場での記憶が鮮明なので, 正しい判断が効率よく行えます。

データを整理しよう。

あなたが得たデータを、あなた自身と他の人が利用できるようにしましょう。「利用できるように」とはこういうことです: 例えばあなたが何かの温度を測って1つの値を得ました。これもデータです。しかしそれが野帳に記された1個の数値であるだけの状態では、あなた以外の誰も利用できませんし、いずれあなた自身もそのデータの存在や詳細を忘れてしまいます。そこでまず,

  • そもそも何を測ったデータなのか? (水温? 気温? 地温?)
  • いつ, どこで, 誰が測ったデータなのか?
  • どういう機械で測ったデータなのか? (機器の製品名と, シリアル番号) ← シリアル番号はめっちゃ重要!
  • そのデータは, 誰がどのように使って良いのか? 誰にどのようにコンタクトすれば利用許可が得られるのか?

という情報を、データに同梱してください。つまり, データがもし電子ファイルなら, これらのことを記載したテキストファイルやPDFファイルを作って, その電子ファイルと一緒にする, とか, いっそデータのファイルの上記のことを書き込んでしまうのです。

次に, このデータを, 関係者に送ってしまうとか, サーバーにアップロードする, などの方法で, できるだけ「さらす」のです。そうすると, 「あれ? あのデータどこに行ったっけ?」とか, そもそもそのデータの存在を忘れてしまう, などという可能性が少なくなります。  これらを施したデータは, 長く, 多くの人に使われ、社会に貢献します。これらを施さないデータは、どんなに良いデータでも, いずれ忘れ去られて消えてしまうでしょう。

撮った写真を共有しよう。

写真は大切な記録です。関係者が閲覧できるように、どこかのサーバーに置いて共有しましょう。ただし、関係者の許可なく、無制限の公開にはしないこと。

TIPS

  • 輪ゴムはダメ。なにかを束ねるときに輪ゴムを使ってはいけません。輪ゴムはすぐに劣化します。
  • マジックは黒。野外の物品にメモを書くときに使うマジックペンは、黒にすること。黒以外の色はすぐに色褪せて見えなくなります。
Last modified:2016/09/01 09:36:17
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